空のビジネスを全面サポート ドローン活用の可能性を拡げませんか?
SB C&Sのドローン情報総合サイト

ドローンビジネス情報:実証実験の記事

TeamViewerを活用したドローンの映像伝送実証実験

2021年12月02日
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

TeamViewerさんから"TeamViewer"のサービスを使ったドローンの映像リアルタイム配信の実証実験のリリースが出ました。
リリースの内容はこちらをご参照ください!

チームビューワー、ドローンでの映像のリアルタイム共有に向けた実証実験に成功



SB C&Sもわずかながらご協力させていただきましたのでその背景とご紹介をさせていただきます。

  • TeamViewerって?

  • なぜTeamViewerとドローン?
  • 今回の実証実験で分かったこととは?

  • 終わりに

・TeamViewerって?

TeamViewerは遠隔監視やリモートアクセスが可能なツールになります。
サービスに端末を接続することで、インターネットを介して画面共有したりもできる為、ビデオ会議+リモートコントロールが出来るツールになっています。
詳しくはTeamViewerさんのホームページを是非見ていただければと思います。

・なぜTeamViewerとドローン?


現在、ドローンの映像をリアルタイム映像配信しようとするとドローン専用の遠隔監視のサービスの利用の他、映像伝送製品の応用、ビデオ会議ツールの応用、いくつかの手段を講じることができます。
これらの中で手軽に始められるのがビデオ会議ツールになるのですが、その中でTeamViewerさんの「TeamViewer」で検証を行ったポイント

理由その1:APKファイルが提供されている

DJIのスマート送信機などはAndroid端末ですが、Google Playが実装されていません。一部のSIMフリー端末やFire HD等のAndroid端末では良くある話ですが、そうなると多くのビデオ会議ツールでは対応できません。
※サービスプロバイダー非公式のAPKファイルがネットにあるケースはありますが、セキュリティや不具合等考えるとお勧めしません
TeamViewerはAndroid用のAPKファイルも公式に公開しているので、これを使えばスマート送信機のような端末にも対応できる為、対応端末の幅が広がるのが大きな要因です
TeamViewerのAndroid APKはこちら
これにより、DJIのMATRICE 300 RTKやMAVIC 2 ENTRPRISE ADVANCEDで検証できたのが大きな要因です
(リリースに記載はないですが、写真の一部に映っている通りMATIRCE 300 RTKなどを活用して検証しています)

理由その2:1:Nの環境下で安定した共有が可能

TeamViewerにはTeamViewer Meetingという複数共有のオプションがあります。
通常のライセンスにも5アカウントまで無料でついてくるため、ドローンの映像を4名まで画面共有できます。
加えて、1Mbpsが出ない遅い通信スピードでも落ちることなく映像伝送を続けてくれるので、LTE網が生きている環境下であれば、非常に有効なツールとなります

理由その3:映像共有以外でも利用できるTeamViewer

上記2点はリアルタイム映像伝送の観点で話をさせていただきましたが、TeamViewerを利用するメリットは他にもあります。
先に述べたようにリモートコントロールが出来るツールになります。
どうしてもドローンの設定などで不明点や不具合があり遠隔地の人間に確認を行う際、画面共有だけではどうしても難しい点があります。
特にアプリが更新された際にUIが変わっていたり、エラーが出て設定など確認する場合などは画面共有だけでは難しいです。
そのような場合でもTeamViewerのリモートコントロールが利用できれば、早期解決に繋げられるケースが多いです。

・今回の実証実験で分かったことは?

TeamViewerがリアルタイム映像伝送で活用できるか?という点はリリースに記載いただいている通り成功し、今後の活用に向けてさらに検証を進めていければと考えていますが、ここに記載されていないいくつかのポイントを記載したいと思います。
まず、バッテリー。送信機側のバッテリーの減りが速くなるのでは?という懸念が当初ありましたが正直そこまで激しく減るということもなく運用上問題ないなと。
ついでネットワーク。MATRICE 300、MAVI 2 ENTERPISE ADVANCEDはスマート送信機となる為、直接SIMが差せません。そこでネットワークRTKを利用するときのSIMドングルを活用しました。
ネットワークRTK以外で利用した場合、こういった用途で機能するか不明だったのですが問題なく映像伝送に活用できました。
テザリングでもいいのでは?という声もちらほらききますがドローンと送信機の通信が2.4GHzの為お勧めできず、今回のようなドングルでのモバイルネットワーク運用をお勧めします。
上記以外のポイントで後は伝送遅延ですが、こちらも今回の検証では1~3秒程度でした。全てインターネットを経由しての共有の為、やや遅れますがこれは仕方ないかなと思います。

・終わりに

商用の製品・サービスの組み合わせで実現できたというところに大きな期待があります。
当然のことながら、ドローンのテレメトリー等必要な管制システムに近い要件の場合には向いていませんが、手軽にこういったことが出来るのは非常にユーザーとしてはありがたいです。
災害状況の把握はもちろんですが、リアルタイムで共有できれば空撮のロケハンに遠隔で参加出来たり、点検時の映像をリアルタイムで見ることで効率化に繋がったりとドローンの利便性を向上させるきっかけとなります。
今後、ドローンのセットやオプションとしてTeamViewerをご紹介できるように引き続き進めてまいりますのでこうご期待ください!

今回のご報告は以上となります。

ドローン・TeamViewerに関するお問い合わせはコチラまで!