ドローンビジネス情報:活用事例の記事
ドローンで配達、その輸送能力とは?
ドローンで離島や山間部への薬や生活物資を配達する実験が各地で始まっています。また、遭難者に食料や通信手段を届ける緊急輸送手段としてもドローンが期待されています。そこで、ドローンが運べる荷物の重量・飛行時間・飛行距離など、ドローンの輸送能力を調べてみました。
輸送に適したドローンとは
昨年、高度交通省の呼びかけに応じて「航空機を使用した配送実用化推進調査」が国内5か所で実施されました。その実験で用いられたドローンのスペックを見てみましょう。
主な運搬用ドローン
実験内容は後述するとして、まず、実験名と機体のスペックを紹介します。 郵便局間における無人航空機を活用した荷物配送。
- ACSL-PF1(日本郵便仕様)
- 機体重量6.9kg
- 最大積載重量2.2kg
- 最高速度72km/h
- 最大飛行距離10km
- 最大飛行時間17分
山間部における「ドローンハイウェイ」を活用した荷物配送実験。
- 天空2
- 機体重量9.6kg
- 最大積載重量2kg
- 最高速度72km/h
- 最大飛行距離7km
- 最大飛行時間15分
山間部における荷物配。
- 神旗GF1-01
- 機体重量14.9kg
- 最大積載重量9.6kg
- 最高速度72km/h
- 最大飛行距離7km
- 最大飛行時間11分
過疎地域における荷物配送。
- AeroRange2
- 機体重量16.5kg
- 最大積載重量8kg
- 最高速度68km/h
- 最大飛行距離100km
- 最大飛行時間100分
離島における無人航空機を活用した荷物配送。
- AS-MC03-T(BOX)
- 機体重量4.5kg
- 最大積載重量1kg
- 最高速度18km/h
- 最大飛行距離3.6km
- 最大飛行時間12分
これら実験とは別に仙台で行われた、孤立病院への救援物資輸送テストではDJI 社製の「QS8」が使用されました。
- 機体重量(MG-12000バッテリー含)12.6kg
- 最大積載量6kg
- 最高速度54km/h
- 最大飛行時間29分(有効過重なし)、11分(有効過重10kg)
同社の「Matrice600 Pro」も 最大積載重量:6kg 、最高速度65km/h、 最大飛行時間38分とドローン配達に有望な機体と言えそうです。
大型ドローンの運用、無線免許や許認可追加が必要なことも
ドローンの操縦・画像伝送等では、無線局免許が必要ない2.4GHz帯が一般に利用されています。しかし、配達用ドローンでは、安定して長距離送信ができ、伝送性能の高い5.7Ghzの周波数帯が必要です。この無線周波数帯を利用するには「陸上特殊無線技士」以上の資格が必要です。
また、離陸重量25kg以上の機体は、「100 時間以上の飛行に耐え得る耐久性を有すること」「発動機、モーター又はプロペラ(ローター)が故障した後、これらの破損した部品が飛散するおそれができる限り少ない構造であること」など、認可申請に追加要件が必要になります。用途に応じた効率的な機体選択が業務効率化のポイントです。
進む規制緩和とインフラ整備。そこまで来ている空の宅配便時代
「空の産業革命」により規制緩和が進み、我が国でもドローン配送利用に明るい日差しが見えてきました。国内で進む実証実験や一歩先をゆく海外事情などを見ていきましょう。
離島や被災地への物資輸送に期待
福島県南相馬市で行われた郵便配送実験は、国土交通省が昨年9月に改正した「無人航空機の飛行に 関する許可・承認の審査要領」に基づいた承認を得て、我が国で初めて補助者を配置せずにドローンを目視外飛行させた事例です。郵便局間約9kmで、飛行時間約15分です。
埼玉県秩父市では、山間部における「ドローンハイウェイ」を活用した荷物配送の早期実用化に向けた実験が行われました。浦山ダムから約3km(飛行時間約10分)の距離にある ネイチャーランド浦山まで、バーベキュー用品等の配送をドローン配達するものです。送電設備上空を空の道として利用した「ドローンハイウェイ」を活用した実験で、ドローンのインフラ利用の可能性が実証されました。
長野県では白馬村八方尾根スキー場(標高1,500m)から直線距離約1km(飛行時間約5分)の距離に山荘(標高1,850m)間の高標高の地域でのドローンによる食料等配送がテストされました。 岡山県和気町では過疎地域における荷物配送実験が行われました。和気ドーム駐車場から約10㎞(飛行時間約15分)の距離で、生活品等の配送、主に河川上空を飛行ルートとして利用されました。 福岡県福岡市では唐泊港・玄界島間約2キロで、生活品等の海上輸送の実用性が実証されました。
一歩先ゆく海外事例、雑貨、ピザ、コンビニ、広がる用途
海外ではすでに商用化が始まっています。ドミノピザは、米国のドローン配達サービスとしてFlirteyと提携、2016年からニュージーランドでドローンによる顧客へのピザの配達を始めました。
Flirteyは同年、コンビニエンスストアチェーン7-Elevenと提携して、ネバダ州リノにある民間住宅への商業配送も行なっています amazonも実用化目前と噂されています。プライムエア-ドローンとも呼ばれる無人航空機を使用して、30分以内で、最大5ポンドまでの荷物を安全に届ける実証実験を、アメリカ、イギリス、オーストリア、フランスそしてイスラエルにPrime Air開発センターで続けています。
ベルトコンベヤーで倉庫から運ばれてきた荷物が自動的にドローンに装着され、自立飛行して顧客の庭に着陸、商品を下ろして帰還していくSF映画のようなシーンが動画で紹介されています。2019年8月現在でamazon Airはさまざま技術的役割を果たすチームメンバーの採用を始めています。
参考URL:https://qz.com/766602/good-news-dominos-wants-to-deliver-pizza-with-a-drone-right-to-your-face/
逃すなビジネスチャンス。そこまで来ているドローン配送
ドローンに関する理解が深まる中で、先行する海外事例や国内の実証実験が示すように、運用範囲が広いドローン配送のマーケットはどんどん巨大化していくことは確実です。あなたの事業の中にもドローン配達に参入できる分野がきっとあるはず。日々目まぐるしく変化する情報を確実にキャッチしてビジネスを広げてみませんか。 ドローンのビジネス活用をご検討されている方は、コチラまでお気軽にお問い合わせください。