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農業用ドローンの導入方法と注意点とは?活用事例と共に解説!

2019年08月09日
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農水省の資料によると、1995年、414万人あった農業就業人口は、2015年までのわずか20年間で、210万人と、ほぼ半減してしまいました。その内65.3%に当たる133万人は65歳以上と高齢化が進んでいます。建設業界と同様に農業においてもIoTを業務に導入して省力化をはかり、農業を若者に魅力ある産業に生まれ変わらせようと「スマート農業」の取り組みが農水省によって推進されています。そのけん引役として、ここでもドローンの活躍が期待されています。農業におけるドローンの役割や、今後について見ていきましょう。

農業でも進むIoT利用

 農業分野でも、IoT導入によるスマート下が進んでいます。農水省は、スマート農業を「農業技術」× 「先端技術」と定義しています。具体的には、ICT技術により、熟練農家が持つ高度な農業技術の若手農家への継承、農作物の生育状況や病害の程度を把握し対策に生かす高度な農業経営、ロボット・トラクターや田植機など農耕機械の自動運転による省力化などを実現しようというものです。

スマート農業、飛躍的な生産性向上が狙い

 急な斜面にあるミカン畑などでの農薬散布や収穫作業は若者でも容易に取り組めるものではありません。こうした作業は、従来型の機械では導入が難しく、人手に頼る作業が数多く残されてきました。また、広域農業ではトラクターなどの大型機械を導入して省力化を測りたいところですが、操作に熟練が必要なことが導入の妨げとなっています。そうした作業にIoT技術を導入して、飛躍的に生産性を向上させようというのがスマート農業の狙いです。 例えば、ロボット・トラクターなら、自動運転で作業時間を4割削減できます。アシストスーツを着用すれば、従来の半分の力で持ち上げ動作が可能になり、高齢者でも快適に収穫作業を進められます。また、ドローンの導入で、ほ場全体のセンシングデータを基に適正な施肥・防除が可能となり、効率的な経営に役立ちます。

官民会議も設立、農業用ドローンの普及拡大本格化

 今年3月、農水省が音頭をとって「農業用ドローンの普及拡大に向けた官民協議会」が設置されました。「農業の成長産業化に向け、ドローン分野のイノベーションを取り込むことは極めて重要であり、その技術開発・実証・普及の拡大が急務」との認識から、官民が連携し、関係者のニーズやシーズをくみ取りながら農業用ドローンの普及拡大に向けた取り組みを強力に推進しようというものが設置の趣旨です。特別講演・事例発表・農業用ドローン普及計画・関連資料の開示、そして「農業分野における補助者なし目視外飛行実証プロジェクト」などを通して農業用ドローンの普及啓蒙活動が積極的に進められています。官民連携は新技術導入のカギであり、農業分野におけるドローン運用がいよいよ本格化してきたことが実感できます。

ドローン導入。何が必要?

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 農業用ドローン導入では、農薬散布装置を搭載できる機体が必要です。また、農薬散布は航空法で規制されている危険物の投下に当たるため飛行許可の申請も必要です。農業に適した機体や導入に必要な手続きを見ていきましょう。

農業に適したドローン導入ドローンとは?

農水省は、農薬散布に適した機体を中心に19社34機種を取り上げた「農業用ドローンカタログ」を提供しています。 価格・発売時期・積載量・飛行時間・散布可能面積・サイズ(長さ×幅×高さ)などがコンパクトにまとめられているので、予算や耕地面積に応じた機体選びができて便利です。  

農業用ドローンでは散布できる農薬の量が注目されがちですが、正確な自動航行能力・障害物回避能力・作物の健康状態を検知するセシング能力・ドローンから得たデータの解析に必要なソフトウエアとの親和性なども大切なポイントです。  同カタログでも紹介されているDJI製のAGRAS MG-1P RTKは、10Lの農薬を積載し1haの敷地に10~15分で散布する能力があります。また高性能なレーダーが搭載されているので、樹木はもちろんのこと、ワイヤーなど数センチしかない細い障害物の回避も可能です。

さらに同社のPhantom4シリーズと連携して自動運行が可能。一台のプロポで、同時に5台のAGRAS MG-1P RTKをコントロールできるというものです。Phantom4シリーズから得られる植生調査データを用いて作物の健康状態を知ることで、そのデータをもとに農薬や肥料の重点散布ができるので効率的な経営に役立ちます。

ドローンの農業利用には、飛行許可申請が不可欠

 農業用ドローンの運用は、農林水産省の「空中散布等における無人航空機利用技術指導指針」に定められており、機種ごとに農林水産航空協会(農水協)技術認定証が必要です。実際に農薬を散布するまでには、次のような流れになります。

  • 利用するドローンの機種を決定。
  • 販売代理店を通じて、農水今協指定のドローンスクールで講習を受講。
  • 認定証取得後に機体を購入して登録。
  • 航空法に係る飛行申請や農薬散布計画を提出

日々進化するドローンの機能と運用ルール。最新情報収集に注目して有利な運用を

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農水協のホームページを見ると、令和元年7月1日付けで「無人航空機を利用した空中散布に関する制度変更への対応について」というお知らせが掲載されています。「近々、無人航空機を利用した農薬の空中散布に関する制度が大幅に変更されることが見込まれています」と、注意を促す内容です。日々進化するドローン の機能を応用に運用ルールも変化しています。長らく一団体が農薬の空中散布を取りまとめてきた体制も大きく変わるかもしれない様相です。最新の情報にアンテナを張り巡らして、少しでも有利な運用に心がけたいですね。 ドローンのビジネス活用をご検討されている方は、コチラまでお気軽にお問い合わせください。