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ドローンビジネス情報:活用事例の記事

注目されるドローン点検。その現状と課題とは

2019年09月02日
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道路橋やトンネル・河川・下水道・港湾等、いわゆる公共インフラは、高度成長期に数多く建設されました。そのため、建設後50年以上経過する施設の割合が、今後加速度的に増加していきます。例えば、道路橋(橋長2m以上)は約73万本あり、その内の約25%(2018年3月)が50年を経過しています。

その割合は2023年には約39%に、2033年には約69%に急増します。こうした橋梁は5年に1回の点検が義務付けされており、長期間に渡って需要の見込める魅力的なビジネスフィールドです。ただ、点検業務の効率化がカギと言われています。建設業で省力化に貢献するドローン。インフラ点検でもそのメリットを発揮できるのかを探ってみました。

インフラ点検でも進むスマート化

点検業務従事者の不足を補うと共に、点検結果データのデジタル化推進のため、建設土木業界や農業などと同様にICT導入によるスマート化が点検業務でも始まっています。

公共インフラ点検、規制緩和でドローン導入可能に

大幅な緩和が期待された2019年2月の「道路橋定期点検要領」の改定ですが、これまで通り定期点検は「近接目視を基本」のままとなりました。ただ、近接目視点検と損傷評価に加えて「将来の維持管理の参考となり、かつ将来に向けた維持 管理計画の策定や見直しに用いるため,損傷程度の評価,外観性状の記録を行う」との文言が加わり、一部ではあるもののインフラ点検にドローン利用の道が開かれたのは大きな進展です。

同時に「新技術利用のガイドライン(案)」と点検用ドローンのスペックなどが掲載された「点検支援技術性能カタログ(案)」が公開され、新技術を利用した具体的な運用が見えてきました。

ドローンインフラ点検。各地で実証実験

 規制緩和やインフラ点検に利用できるドローンの性能評価などが進み、ドローンによるインフラ点検は実証実験の段階に進んでいます。関東地方整備局の「全国の道路メンテナンスに関する取り組み事例」(平成30年12月12日 訂正版 )の中でNEXCO中日本のドローン活用した山岳地域の橋梁事前調査が紹介されています。命綱にぶら下がって接近しなければ近接目視点検できない橋梁の点検に先立ち、ドローンで外観確認してロープアクセス点検の規模感を把握。工数の見積もりや特殊作業の実施要員の確保等を含めた、作業計画の立案に役立てようという実験です。

業務効率化に向けた実用的な事例と言えるでしょう。 千葉県君津市は、ドローン運用に積極的な自治体です。同市は令和2年3月31日まで、市内227橋のうち20橋程度を対象に、市職員がドローンを操縦、映像を撮影することによる橋梁点検の実証実験を実施しています。検証結果を検討の上、令和2年度から実運用を予定しています。職員による点検で、費用の大幅削減を狙う事例です。

ソフトバンクもドローンによる社会インフラの保全を行う新たなサービスを2019年春から提供しています。これは、ドローンで撮影した画像と高精度位置情報を紐づけて、実測値との誤差がわずか数ミリメートルの高精度の3次元(3D)モデルを生成する技術を持つ米国のファイブバイファイブテクノロジーズと提携。日本市場のニーズに合わせたサービス化を進めています。

さらなる規制緩和や機体性能の向上が課題

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ドローン点検の実用化には、公共インフラの点検ルールや航空法などの制度改正、また風や水に弱い機体の改良が求められます。

点検運用のマニュアル化に期待

「UAV公共測量マニュアル」がドローン測量に道を開いたように、公共インフラ点検でもマニュアル化が同じ役割を果たすと期待されます。 「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」を推進するNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)は昨年1月、橋梁点検のための無人航空機の性能評価基準策定に向けた飛行試験を千葉県東金市で実施したと発表しました。

同試験では、模擬橋梁実験施設でドローンを飛行させ、点検プロセスに沿った性能評価の試験方法や計測システムの妥当性を検証。風などの影響を考慮した飛行安定性の性能評価を行うための試験環境の妥当性を検証するものです。さらに2018年5月には「橋梁点検のための無人航空機 性能評価手順書 Ver.1.0」が公表されており、早いテンポで「ドローン点検」が日常化するのでは、と期待されます。

点検用ドローン機体、求められる耐水・耐風性能

 突風やにわか雨、霧やガスなど天候の急変が心配される山や海岸が多い点検現場では、ヘビーデューティーなドローンが必要です。DJI MATRICE200は、17インチプロペラと高性能モーターの組み合わせで、強風時でも安定して飛行します。冬場や高山などの寒冷地の現場でも、新しいデュアルバッテリー・パワーシステムが、氷点下での飛行中も自動でバッテリーを温めるので安心です。さらに、密閉型の防滴設計で悪天候にも強く、さまざまな環境下で飛ばせます。今すぐ手に入る堅牢な点検用ドローンと言えるでしょう。

間口広がるインフラ点検。まずは参入分野の調査から

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公共インフラは橋梁約73本の他に、トンネル約1万1千、河川管理施設(水門等)約1万施設、下水道管渠(きょ)総延長約47万km、港湾岸壁約5千施設(水深-4.5m以深)を数えます。巨大マーケットに成長すると期待されるインフラ点検。老朽化が進むインフラの増加で、点検業務のマーケットはどんどん広がる中で、ダイバーに代わって水中調査が可能な水中ドローンも登場、対応範囲も広がっています。まず、あなたの事業にあった点検分野がないか、まず調査から始めてはいかがでしょう。 ドローンのビジネス活用をご検討されている方は、コチラまでお気軽にお問い合わせください。