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【ドローン測量のカメラ】搭載に求められる性能について解説

      2019年06月05日
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      空撮写真から地図や3Dモデルなどの成果を得るドローン測量に不可欠なカメラ。ドローンの機体によって、カメラが機体に付属しているのか、別途購入するのか、カメラレンズの交換ができるのかどうかなど、さまざまな違いがあります。果たして、どんなカメラが適しているのか、ドローンに搭載するカメラ選びにお困りの方も多いかもしれません。ドローンによる写真撮影をしたい方にとっては、悩ましい問題です。

      そこで今回は、ドローン測量において、どんなカメラが適しているのかについて解説します。

      ドローンに搭載できるカメラとは?

      doronn-sokuryou-kamera02.jpg

      できるだけ高性能なカメラを利用したいと考えがちですが、まず、ドローンのペイロード(積載重量)の確認が必要です。一眼レフなどはレンズを含めると、1kgを超えるものが多くあります。さらに、カメラを機体に固定して、安定した映像を捉えるために必要な、ジンバル(スタビライザー)などの付属品の重量を含めると、相当大型のドローンが必要になるので要注意です。

      用途に応じたカメラが積める大型機

      DJI社の大型ドローンM600 Proは、最大飛行重量15.5 kgという重量級です。ペイロードは6kgあり、専用ジンバルに一眼レフカメラを取り付けて、地上同様の高画質で空撮できます。

      次いで大きいMATRICE 210は、防滴性に優れ、強風や氷点下でも飛行できる業務用ドローンです。ペイロードは2kgあり、空撮用の高性能カメラ、Zenmuse X4S、X5S、X7や、赤外線カメラXT、赤外線カメラと4Kカメラを一体化したXT2、30倍光学ズームと6倍デジタルズームを搭載したZ30など、用途に応じたカメラが選べます。また、撮影条件に応じて機体の上下どちらにでもカメラを取り付けられ、ローアングル撮影に便利です。下部吊り下げの場合は2台搭載も可能です。防水性能が高く堅牢な機体に多種のカメラを交換搭載できるので、災害支援機としての活躍も期待できます。

      映像制作によく利用されるINSPIRE 2には、高性能な空撮用カメラ、Zenmuse X4S、X5S、X7のいずれかが搭載可能です。動画性能に優れたカメラですが、ここでは、測量に関係する写真スペックだけをご紹介します。

      ■Zenmuse X4S ※SB C&Sでは販売を終了しております(2019年6月時点)

      Zenmuse X4Sのセンサーは、CMOS1インチ(13.2×8.8mm)、2,000万画素。F/2.8~11、8.8mm (35mm換算:24mm)、視野角84°の固定レンズカメラです。8~1/2000sのメカニカルシャッターと1/2000~1/8000sの電子シャッターを装備しており、ISOレンジは100~12800です。

      ■Zenmuse X5S

      Zenmuse X5Sは、MICRO 4/3 (17.3mm×13mm) マイクロフォーサーズのCMOSセンサーを搭載しています。有効画素数は2080万画素とX4Sとほぼ同じですが、センサーが大きい分、解像力が向上するほか、ISOレンジも25600 までアップしています。また、レンズ交換式となり、8本あるレンズから用途に応じて使い分けられます。シャッターは電子シャッター(8~1/8000s)のみです。

      Zenmuse X7

      ハイエンドのZenmuse X7は、 Super 35mmとセンサーサイズを映画用語で説明されていることからもわかる通り、動画指向のカメラです。静止画撮影ではAPS-Cサイズ (23.5×15.7mm) で撮影、2400万画素の高画質データが取得できます。交換レンズは4本。シャッターは、電子シャッター(8~1/8000s)とメカニカルシャッター(8〜1/1000s )を使い分けられ、ISOレンジは100~25600です。

      汎用高性能カメラを搭載、コストパフォーマンスなら中・小型機

      中・小型機は、カメラの積み替えはできませんが、使いやすく小型で、高性能なカメラが搭載されています。

      ここでは現在、生産はされていませんが、一般的に広く使用されている、DJI社のPhantom4 Pro搭載カメラのスペックを確認しましょう。

      • センサー:1インチCMOS
      • 有効画素数:2,000万画素
      • 視野角:84° 、8.8 mm/24mm (35 mm判換算) 、F/2.8~F/11、オートフォーカス (1 m~∞)
      • メカニカルシャッター8~1/2000s、電子シャッター8~1/8000s 、ISOレンジ100~12800 (マニュアル)

      つまりこれは、Zenmuse X4Sのスペックに相当します。

      小型高性能で、Phantomシリーズの後継と目されるMAVIC 2は、PROとZOOMの2機種が販売されています。そのうちのPROバージョンには、 Hasselbladと共同開発したL1D-20cカメラが搭載されています。1インチCMOS 、20万画素、視野角約77°、35 mm判換算:28 mm, 絞り:F 2.8 ~F11、撮影範囲:1 m~ ∞、ISO上限値12800と、Phantom4 Pro相当の高性能なカメラが、MVIC2の小さなボディに詰め込まれているのですから驚きです。

      ドローン測量に使えるカメラは?

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      それでは、どんなカメラが測量に向いているのでしょうか。国土地理院は、ドローンで撮影した空中写真を利用して測量を行うときに、精度を確保するための基準や作業手順等を「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」としてまとめています。その中に「使用するデジタルカメラの性能等」が記載されているのでご紹介します。

      小型・中型機のカメラでできる公共測量

      同マニュアルの第24条で、公共測量に使用できるデジタルカメラとして、以下のスペックを提示しています。

      一 焦点距離、露光時間、絞り、ISO感度が手動で設定できる。

      二 レンズの焦点の距離を調整したり、レンズのブレ等を補正したりする自動処理機能を解除できる。

      三 焦点距離や露光時間等の情報が確認できる。

      四 十分な記録容量を確保できる。

      五 撮像素子サイズ及び記録画素数の情報が確認できる。

      2 撮影に使用するデジタルカメラのレンズは、単焦点のものを標準とする

      引用:UAVを用いた公共測量マニュアル(案)

      一番価格的に手頃な MAVIC2 PROのカメラに、この要求項目を当てはめてみるとどうでしょうか。一つずつみていきましょう。

      撮影設定として、オート、M(マニュアル)、A(露出優先)、S(シャッター優先)の4つのモードがあり、焦点距離、露光時間、絞り、ISO感度が手動で設定できます。また、レンズは、単焦点広角レンズ、ブレ防止はジンバルで行うため、第二項目も問題ありません。焦点距離や露光時間などは操縦機のモニター画面で確認でき、内部に8GB内部ストレージを備え、microSDが128GBまで使え記憶容量も十分です。<第24条 運用基準>の「撮影した画像は、非圧縮形式で記録することを標準とする」とありますが、RAWモードで記録ができるので、これもクリアできます。

      測量専用ドローンも登場!

      Phantomシリーズの一つであるPhantom 4 RTKは、高精度マッピングやその他のデータ収集業務向けに設計されています。搭載カメラは、Phantom 4 Proと同じ、1インチ2000画素のCMOSセンサーカメラですが、レンズは一台ごとに厳しいキャリブレーションが施されており、歪みのデータを記録、高精度のデータが得られる工夫が施されています。

      ニーズに合わせたドローンとカメラ選びが重要

      中・小型機に搭載されているカメラでも公共測量が可能になっています。さらに高画質の写真や動画、赤外線写真を用いた調査などまで考慮するなら、大型機にハイスペック・カメラを搭載するなど、ニーズに応じた選択が可能です。さまざまな分野で業務の効率化に役立つと期待される、ドローンの導入を検討されてはいかがでしょうか。

      ドローンのビジネス活用をご検討されている方は、コチラまでお気軽にお問い合わせください。