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ドローンビジネス情報:ichimillの記事

「ichimill」を用いたドローン空路の実証実験について

2022年07月20日
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少し前になりますが、株式会社トルビズオンさんのリリースで以下の通りのリリースが出ています。
トルビズオン、RTK測位技術による高精度測位サービスを用いた、ドローン物流空路のリスクアセスメントサービスを開始

今回はこの実証実験でのichimillの役割について解説していきたいと思います。

目次

  1. ichimillとは?おさらい

  2. 実証実験でのichimillの役割・効果

  3. ichimillの必要性

1.ichimillとは?おさらい

ichimillは、ソフトバンクの基地局を活用しRTK測位技術を用いた高精度測位サービスです。
通常のGNSS機器(GPS等)は誤差が数10㎝ずれることが多いですが、そのズレをリアルタイムで数㎝に補正し利用することが出来ます。
詳しくは下記記事をご覧ください。
位置情報サービス"ichimill"のドローンへの活用
ichimillはネットワークRTKと呼ばれる測位方法に対応した機器(測量機器、農機、建設機械)で利用することができますが、ドローンでも同様に利用することが可能です。
今回のリリースは物流ドローンに活用した検証となっています。

2.実証実験でのichimillの役割・効果

【検証の前提】
物流ドローンを利活用していく上でポイントとなってくるのは、決められた飛行ルート通りに飛行できるか?というところです。
地図上で障害物や他のドローンの影響などを受けず飛行するにあたり、ドローンの位置精度は非常に重要になってきます。
今回の検証では普段はどれくらいずれているのか、ichimillを活用するとどれくらい精度が向上するのかを確認しています。
検証は以下2点について実施されていました。
・平面でのズレの検証
・高度でのズレの検証

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検証機器は以下の通りです。
[使用した機材等]
-使用機体:マルチコプター型ドローン(DJI M300 RTK)
-RTKサービス:ネットワークRTK
-GNSS受信機:LC01
※LC01はichimill用の受信機になります。MATRICE 300 RTK(M300)もRTKサービスに対応しています。
しかしながらRTKを利用していないときのRTK作動時との精度差分が分からない為、機体に取り付けて検証を行っています。
※上記に伴い、必要な法的申請は実施しております。

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【検証結果】
検証結果は以下の通りichimillを利用する/しないで平面で1~3m、高さで約0.7mのずれが出ています。


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※今回の検証では、ichimillのGNSS端末を正とし、RTK無しがどれくらいずれるかを確認しています。

上記だけではピンとこない部分もあるので、ichimillが無かった場合、あった場合の結果をさらに見てみます。

-ichimillを利用しなかった場合

RTK無し.png

自動航行はDJIのアプリケーションでウェイポイント(WP)を利用して実施しています。
その為、機体はWayPoint上を飛行しているように見えますが、実際にはLC01で取得される高精度の位置情報からはずれています。

-ichimillを利用した場合
RTK有.png

今度はM300でichimillを利用した場合の機体ログととLC01ログを比較した図です。見ると一目瞭然ですがほぼ一致しています。
これはLC01で正しいとされる位置をichimillを利用したM300は同じ座標精度で飛行していることを表しています。

このように、ichimillを活用することで、本来飛行しなければならいないルート飛行を実施することが可能となります。
当然、機体もRTK(ihimill)対応していることが前提でありDJIでその機能を積んでいるM300の安定した飛行性能があってこそなので
そこを加味した上で実運用にトライしていく必要があります。

3.ichimillの必要性

おさらいとなりますが、ichimillのようなRTK測位機能をドローンに活用することでより高精度な位置情報に基づいた飛行が可能となります。
機体に備えられているGNSSの性能がどれだけ上がろうとも、天候や周辺環境の影響でずれは生じてしまう恐れがあるので
高精度で飛行させる場合は、必須要件となってきます。
また、今後有人地帯での無人自動飛行などを実現させていく場合、ビルや建物、他ドローンとの接触回避をする上で位置情報が重要になってくるため、
高精度位置情報サービスはまさに自動航行・物流ドローンのキーになってくるかと思います。
是非、ご検討の際にはichimillも検討いただければと思います。

今回はここまでとさせていただきたいと思います。

利用を検討したい、とりあえず精度が出るか試してみたい、という方いらっしゃいましたら是非コチラからお問合せください。