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【日々進歩し続けるドローンの技術】その課題は法規制にあり?

2019年07月04日
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測量など業務に利用できるドローンは、自動航行や自動帰還システムを備え、自律性に優れているため、購入したその日から、誰でも簡単に操縦できるまでに進歩しています。では、なぜ工事現場などでドローンが活躍する姿をあまり見かけないのでしょうか。これまで、ドローンの飛行ルールや運用基準が曖昧で、業務に使用するには少なからず不安がありました。しかし改正航空法が2015年12月10日に施行され 、飛行ルールが明確になったのを皮切りに、公共測量にドローンを利用するための手引きが作られたり、飛行規制を段階的に緩和のための動きが活発化したりと、ドローン活用に向けた環境改善が一気に進んでいるようです。

そこで今回は、今後、高まるドローンの利用価値の背景を調べました。

進化し続けるドローンの機体性能、公共測量の要求スペックを凌駕

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国土交通省国土地理院は、平成28年3月に「UAV を用いた公共測量マニュアル(案)」(現行・平成29年3月改正)を発表し、公共測量の測量手段としてドローンの利用を認めました。同手引きでは、測位のための標定点利用を義務づけていますが、標定点なしで同マニュアルの要求制度を満たすドローンがすでに登場しています。

RKT搭載で測位性能はcm単位に

「UAV を用いた公共測量マニュアル(案)」(平成29年3月改正)では、出来形管理に利用する場合の三次元点群作成における要求精度を 0.05メートル以内としています。この厳しい基準もRTK(リアルタイムキネマティック)を搭載し、単独測位でクリアするドローンが登場しています。測量専用に開発されたDJI社製のPhantom 4 RTKがそれを、垂直方向 1.5 cm + 1 ppm(RMS)、水平方向 1 cm + 1 ppm(RMS)と、難なくクリアする水準です。機体や搭載カメラが向上する中で、測量写真のラップ率の緩和や、標定点設置における測位方式の緩和が進んでいます。今後、ドローンの単独測位が認められるようになれば、標定点設置など事前準備にかかる費用や時間が大幅に軽減され、作業効率は一気に高まることでしょう。

 

飛行時間の延長と防水性能向上が課題

ドローンは風や雨に弱く、天候にフライトが大きく左右されることが難点でした。DJI社製のM200シリーズ V2は、そうした弱点を軽減した機体です。同社ホームページによると、17インチプロペラと高性能モーターの組み合わせで、強風下でも安定した飛行が可能になります。保護等級IP43の防雨仕様で、バッテリーのデュアル化で38分の長時間飛行が可能です。さらに、自動的にバッテリーを温める機構を搭載し、作動環境温度マイナス20度 ~ 50度と、パワフルな飛行性能がすでに実現しています。工事現場だけでなく、大規模災害の被災調査や緊急物資のなどへの利用拡大を予感させる機体です。

課題は飛行制限。急がれる緩和措置

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我が国のドローン運用への規制は、2015年4月の首相官邸屋上への侵入事件を機に強まるばかりと思いがちです。しかし、その一方で、建設現場での運用や離島などへの物資配達手段として利用できるよう、規制緩和に向けたルール作りも進んでいます。

DID(人口密集地)でも目視外飛行認める動きに

内閣が指揮をとる「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」は、「空の産業革命に向けたロードマップ~小型無人機の安全な利活用のための技術開発と環境整備~」(平成29年5月19日)を進めています。小型無人機の運用をレベル1・目視内での操縦飛行、レベル2・目視内飛行(操縦なし)、レベル3・無人地帯での目視外飛行(補助者の配置なし)、レベル4・ 有人地帯(第三者上空)での目視外飛行(補助者の配置なし)の4段階に分け、より高度な運用を可能とする環境整備を進めています。

ドローンで配達も可能に。高まるドローンの利用価値

昨年、レベル3の実現に向けた過疎地におけるドローン物流実験が、全国5か所で実施されました。その一つが埼玉県秩父市で行われたバーベキュー用品等の配送実験です。秩父市ドローン配送協議会が事業主体となり、東電が整備を進める送電設備上空を利用した空の道「ドローンハイウェイ」を使い、浦山ダムからネイチャーランド浦山まで約3kmを、たった10分ほどで結びました。一度災害が起きれば、陸の孤島となってしまいがちな山間部にあって、ドローンは、心強い輸送手段となりそうです。

宅配便、ドローンが届ける日はもう目の前に

2020年以降は、DID(人口密集地)での、補助者のいらない目視街飛行へ飛行レベルを進める計画です。ドローンが配達する宅配便を家庭で受け取る日もそう遠くはなさそうです。ドローンの機体性能の度化に合わせて、飛行運用の緩和が進み、ドローンの利用価値がますます高まり、多様なサービスが一気に広がりを見せるはず。その予兆はそこまで来ているようです。

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