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各地で活躍中のドローンの災害利用と測量業務の共通点とは?

2021年01月10日
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豪雨や地震などの被災現場にいち早く駆けつけて、被害状況の把握や復旧工事などで活躍するドローン。被災支援のさまざまなステージで、ドローン測量の技術が役立つようです。

そこで今回は、ドローンの災害利用と測量業務にどんな共通点があるのかについて詳しくみていきましょう。

ドローンの災害利用とは?

小回りのきくドローン(無人航空機)。災害現場のリアルタイム動画が、遭難者の捜索や被災状況の把握に役立っていることはたびたび報道され、よく知られています。しかし、静止画の貢献度は意外と知られていないようです。

危険地帯も迅速に調査

ドローンはわずかな空き地があれば離着陸地でき、広範囲を飛び回って搭載したカメラから、現地の状況をリアルタイムで本部に伝送することができます。濁流が溢れる河川の上空でも、巨石が崩落している崖の周りでも、ゆっくりと接近して詳細を調査することが可能です。人が踏み入ることができない危険地帯を安全に、しかも詳細を迅速に調査できるのが、災害現場におけるドローン利用の大きなメリットになっています。

熊本地震や九州豪雨で活躍

平成28年に起こった熊本地震の行方不明者の捜索、糸魚川市大規模火災の鎮火後の被害状況確認、また、平成29年の九州北部豪雨が起きた際、緊急消防援助隊活動時の道路閉塞状況や流木流出範囲の確認などが、ドローン災害利用の事例としてよく知られています。今後、ドローンの活用はさらに活発化していく中で、運用ルールの整備も進んでいるのです。

政府主導で運用ルール整備。有人地帯での目視外飛行の実現も

内閣官房は「空の産業革命に向けたロードマップ」を策定し、平成 33 年度以降、有人地帯での目視外飛行の実現を目指し、技術開発と環境整備を進めています。こうしたルール整備により、災害現場が都市部でも、円滑にドローンを利用できるようになるでしょう。消防庁は、こうした背景のもと「消防防災分野における無人航空機の活用の手引き」(平成30年1月)を発表し、具体的な運用指針を示すに至っています。

ドローン測量との共通点とは?

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災害現場をリアルタイムに報道する動画も重要ですが、静止画から制作される3Dモデルや現場地図は、捜索路の選定や復旧対策の立案、また被災前との状況比較などの基礎データとして欠かせないものです。そうしたデータの制作に使われている技術はドローン測量そのものといえるでしょう。

測量用ドローン同様、飛行能力とカメラ性能が決めて

「消防防災分野における無人航空機の活用の手引き」では、火災、山間、水難、情報、広域と利用分野にわけ、ドローンに求める機能をまとめています。その中で共通しているのが、飛行性能(風速10m/秒で飛行可能)です。その他、ホバリング、自動回帰、IMU・気圧計・GPS・電子コンパスを用いた制御、耐風性目視外自立飛行といった操縦性能も必要です。カメラに関しても映像を安定させるジンバルの搭載、地上への映像伝送、オルソ画像撮影、熱画像が撮影できるかなどを項目としてあげています。よくみると、災害利用のドローンに求められる機能は、測量やリモートセシングル用途と同様です。飛行能力とカメラ性能が重要な点でも、測量用ドローンと共通点が多いと感じられるのではないでしょうか。

求められる迅速な地図作成

また、「消防防災分野における無人航空機の活用の手引き」では、動画撮影で対策本部が全体状況を把握。次いで、高所で静止画を連続撮影し、データを地図化して具体的な被害範囲の確認や部隊配置など、活動方針の策定に役立てるといった手順でのドローン利用が想定されています。

クラウドにアップロードするだけで、高精度の地図や3Dモデルが作成できることで有名なソフト「DroneDeploy」にバンドルされた新機能ライブマップは、今後の被災地での状況把握ツールとして期待されています。解像度はアップロードして制作するものには及ばないものの、インターネット接続なしで飛行中に地図がリアルタイムに作成され、iOSモバイル端末で閲覧利用できるというものです。場所を問わず、すぐに情報を活用したい災害現場で大きく貢献するものと考えられています。

共通点が多い被災情報確認とドローン測量

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地震や水害の被災地は広範囲に及び、人が容易に立ち入れない危険な場所での迅速な測量を求められます。正確な被災地の位置の把握、被災範囲の把握、被災前後の区画等の比較、復興計画の策定、復興工事と完成後の検証などの一連の業務は、一般土木・建設業務と変わるところはありません。

災害支援貢献への可能性

災害時のドローンの利用の事例や利用ルールの整備が後押しとなって、多くの自治体がドローンに関心を向けるようになってきました。ドローン認定団体やサービス会社と自治体が、災害支援に関する協定を結ぶケースも増えています。ドローンに対する理解の広がりと、機体機能や利用ソフトの進歩は、ドローンの災害支援利用への可能性をますます広げていくことでしょう。

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