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【ドローン測量】デメリットを把握してメリットまで理解しよう!

2019年03月28日
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近年、ドローンで空撮の写真から得られる点群データを用いて、工事現場の地図や3Dモデルが容易に作成できるとドローン測量が注目されています。広範囲を一気に調査できるので、人件費の節約効果が期待できたり、デジタルデータによる成果品作成までの時間が短縮できたりすると、メリットばかりがもてはやされていますが、問題点はないのでしょうか。

そこで今回は、ドローン測量のメリットとデメリットについて解説します。

ドローン測量のデメリットとは?

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ドローン測量のデメリットとして、「フライト時間が限られている」「天候に左右されやすい」「精密な操作が難しい」といったことが考えられます。

ドローンはフライト時間が短い

ドローンは高性能なリチウムポリマー電池がエネルギー源です。近年、運用時間が伸びているとはいえ、広範囲な現場での利用には頻繁な電池交換が必要になります。測量用としても利用されているDJI社のPhantom4シリーズを例にとると、スペック上はフル充電で30分の飛行可能とされていますが、実際は安全性を考えると20分程度です。向かい風や、強風下では、さらに電力消費が増え、飛行時間が短縮されます。

天候に左右されやすい

ドローンに利用されているリチウムポリマー電池は非常に湿気に弱いため、雨の日の飛行は厳禁です。濃霧では、視界が利かず、目視飛行どころか、カメラ映像による目視外飛行もままならない状態になります。また、霧が機体に当たり水滴となり、故障の原因となる心配もあります。また、国土交通省が「安全マニュアル」で、風速毎秒5m以下で飛行させることと定めているように、強風は安定した飛行の大敵です。

精密な操作が難しい

精度が要求される測量では、データを収集するドローンにも安定した飛行能力が要求されます。手動でドローンを正確遠隔操作することは、相当訓練を積んだ優秀なパイロットでも困難です。ただ、近年はあらかじめ測量範囲や方法を設定し自動航行で、データを自動的に取得できるようになっています。

ドローン測量にはメリットがこんなにある!

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では次いで、ドローン測量のメリットについてみていきましょう。

ドローン測量のメリットとして、「写真データの解像度が高い」「広範囲の撮影が得意」「3Dモデルが簡単に作成できる」などが挙げられます。

写真データの解像度が高い

国土地理院は、「UAV を活用した写真測量の精度検証」(平成27年)の中で「従来の空中写真撮影を行ってきた有人航空機に比べ、高解像度の空中写真を簡便に撮影できる点にメリットがあり、写真測量分野への活用にも注目が集まっている。国土交通省が推進する i-Construction においても UAV を用いた測量が重要な技術として位置づけられている」と指摘しています。

同院がまとめた「UAV を用いた公共測量マニュアル(案)」(平成29年改定)では、使用するデジタルカメラの性能等を次に用に定めています。

  1. 焦点距離、露光時間、絞り、ISO感度が手動で設定できる
  2. レンズの焦点の距離を調整したり、レンズのブレ等を補正したりする自動処理機能を解除できる
  3. 焦点距離や露光時間等の情報が確認できる
  4. 十分な記録容量を確保できる
  5. 撮像素子サイズ及び記録画素数の情報が確認できる。また、 撮影に使用するデジタルカメラのレンズは、単焦点のものを標準とし、 撮影した画像は、非圧縮形式で記録することを標準とする

としています。

現在では、こうした厳しい基準を満たすカメラを搭載したドローンが、20万円程度で購入できるようになっています。

また、写真精度の向上に大きく関与するため、使用する UAV の性能等として、

  1. 自律飛行機能及び異常時の自動帰還機能を装備している
  2. 航行能力は、利用が想定される飛行域の地表風に耐えることができる
  3. 撮影時の機体の振動や揺れを補正し、デジタルカメラの向きを安定させることができる

と自動制御できる機体を前提とした運用を求めています。

広範囲の撮影が得意!

ドローンは有人の固定翼機ほどではないにしても、広範囲の撮影が得意です。込み入った地形でも小回りがきき、精度の高い撮影が可能になっています。飛行高度が低いため、雲の影響を受けることも少なく、明瞭な写真が撮れることがメリットです。

国土交通省が「建設業の魅力を高校生に!」をテーマに、 i-Construction( ICT)の体験学習会で配布した資料では、「1,000平方メートルの土地に高度30mを毎秒2mで飛行させ、20枚の写真をとるのにかかった時間は15分、同じ仕事を従来の人力による測量では数日かかる」と、ドローンが広範囲な撮影での優位性を指摘しています。

雨に弱いドローンですが、広域を素早く撮影できるので、天候回復の合間を縫って、素早く作業が済むことも見逃せません。

Dモデルが簡単に行える

連続的に撮影した写真と、各種センサーが捉えた位置情報で高密度な点群データが得られ、マッピングソフトでデジタル処置することで簡単に高精度の3Dモデルが生成可能です。デジタルデータであるため、成果品を工事現場や事務所、顧客とリアルタイムで共有化できるため、工程上の問題点の早期発見や改善点が視覚的に把握でき、工事の効率化につながります。また、あらかじめ設定したコースを自動航行させられるため、何度でも正確に同じルートがたどれ、工事過程の検証にも役立ちます。

危険な場所の測量が可能

正確な位置情報を取得するため、計測範囲が広くなれば、それだけ多くのGCP(地上基準点)の設置が必要でしたが、より少ない設置で済むよう技術的改善が進んでいます。これは、事前準備の短縮による効率化だけでなく、沼地や森林など踏査が難しい場所や、崩落した崖など危険な現場でも、躊躇なくきめの細かい調査ができ、ドローン測量の用途をさらに広げると考えられているのです。

コストが抑えられる傾向にある

高度な機能を備えた機体が手頃な値段で手に入るようになり、ドローン測量にかかるコストは抑えられる傾向にあります。その背景として、世界的な需要の拡大です。3Dデータが簡単に手に入るドローン測量は、モバイル機器とクラウドの利用で距離を意識せず情報共有が可能なため、ワールドワイドな事業を進める上で大変有利になっています。

土木業界で広がるドローンの利用

飛行時間の制限や天候に左右されやすいドローンですが、機体の能力は日々向上し、搭載されているカメラやセンサーの進化は留まるところを知りません。建設土木業界へのドローン導入は、国が進めるi-constraction の一環です。これを機に、ドローンの早期導入に向けた研究検討を始めてはいかがでしょうか。

ドローンのビジネス活用をご検討されている方は、コチラまでお気軽にお問い合わせください。