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ドローンビジネス情報:活用事例の記事

ハンターに代わってドローンが害獣駆除に貢献!

2019年09月02日
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四畳半程度の平地さえあれば簡単に離着陸でき、低空を低速で飛行したり、ホバリングしたりしながら高性能カメラで監視できるドローンの特性が、害獣駆除に役立つと注目されています。害獣駆除支援に適したドローンやその利用例を見ていきましょう。

野生鳥獣による農作物被害、年間164億円

農林水産省の資料「全国の野生鳥獣による農作物被害状況について(平成29年)」によると、年間で474,200t、164億円の作物が野生動物の食害で消えています。被害面積は53,200ha、東京ドーム約1,1378個分に相当する広大なものです。

暮らしを蝕む深刻な害獣被害

総務省の資料「知ってほしい鳥獣被害現場の実態」(平成29年)では、「自家消費用の安納いも等をイノシシに踏み荒され、ほぼ全滅し、諦めた」 (農業生産者)、「シカの一般道や高速道路上での衝突事故や鉄道での列車との衝突事故」(長野県) など、深刻な被害の実情が語られています。

丹精込めて育てた作物を出荷目前にして食い荒らされたのでは農業を続ける気力も減退するというものです。ひいては、耕作放棄・離農の増加に繋がりかねません。森林の下層植生の消失等による土壌流出・希少植物の食害・車両との衝突事故等・害獣被害は食害にとどまらない深刻な問題であると受け止め、国はこれまでさまざまな背策を講じてきました。しかし、害獣駆除の担い手であったハンターの減少と高齢化の中で、新たな方策が模索されています。

害獣駆除にも始まったITC導入

有害鳥獣捕獲の担い手である狩猟者は減少・高齢化が進み、害獣駆除において深刻な問題になっています。「年齢別免許所持者数」(環境省)によると、平成7年度に24万6,000人(30.1%)いたハンターは、17年度には20万4,000人(50.5%)に、26年度には19万4,000人(66.5%)と20万人の大台を割り込んだ上に、60歳以上が7割に迫る勢いで高齢化が進んでいます。  そうした中、国はICTを活用した鳥獣被害対策の実証実験等を実施、さらに効果を上げるための条件整備等の実態の調査を進めています。

害獣対策に役立つドローンとは

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害獣対策に役立つドローンとはどんな性能が必要なのでしょうか。

高性能カメラや超音波発生機搭載、調査や追い払いの効果

鳥獣被害対策は、狩猟・駆除・捕獲柵の設置等による侵入防止・放任果樹の伐採・刈払いによる餌場 ・隠れ場の撲滅などが挙げられます。 DJI社製のMatrice 200シリーズは、17インチプロペラと高性能モーターの組み合わせで、強風時でも安定して飛行できます。また、密閉型の防滴設計で悪天候にも強く、 バッテリーを温める機能もあり厳しい環境下(作動温度-20~45℃)でも飛行できるヘビーデューティーなドローンです。

最大ペイロード2kgで、飛行時間24分。高性能カメラや赤外線カメラを交換搭載でき多様な調査に利用可能です。照明ライトやスピーカーを搭載すれば追い払いなどにも役立ちそうです。 同じくDJI社製のMAVIC2 ENTERPRISE DUALは、小型ながら可視領域と赤外線を捉える二つのカメラを搭載する高性能ドローン。アタッチメントで、サーチライトかスピーカーが取り付けられます。複数台を利用すれば、調査、追い払いなど多様な用途での利用が考えられます。

事例が証明。害獣対策にドローンの威力

では、「ドローン」を活用した事例を見ていきましょう。 神奈川県は、「かながわ鳥獣被害対策支援センター」を設置して、害獣被害の痕跡や電気柵などの防護対策、わなの設置状況などにドローンの導入を進めています。

これまで約3haの農地の現地踏査に4時間程度と地図化作業に4時間程度かかっていたものが、同じ地域をドローンの自動飛行で調査すると、空撮に10分程度、画像結合ソフトやアプリを使った地域 全体の撮影画像の作成に2時間程度ですみ、大幅な負担軽減効果を上げています。 ドローン開発企業の空創技研プロペラ(岐阜県各務原市)と美濃加茂市は、スピーカーを搭載したドローンによる猿の追い払い実験をしています。

追い払い当日はロケット花火の打ち上げとともにドローンのスピーカーから市歌を流しながら山間部を飛行し、猿に人里が危険であることを認知させるというものです。 大日本猟友会も、DJI社などと共同して、ドローンに搭載した赤外線サーモグラフィーカメラや画像解析技術を活用した高精度の野生鳥獣の生息状況調査(個体数調査)手法の開発に取り組んでいます。

これまで、ニホンジカやイノシシなどの野生鳥獣の個体調査は、目撃数や捕獲数、糞塊確認などのデータからの推計でしたが、ドローンという新しい技術を用いて、直接観察による個体数計測システムの開発を行うとともに、被害の科学的調査システムを開発するとしています。

ドローン測量などとの共通点多い害獣対策技術。異業種からの参入も

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写真撮影、撮影データから生成される植生マップや被害状況地図の作成、音声による追い払いなど、害獣被害対策に必要な技術は、ドローン測量や救難などの技術とオーバーラップする部分が多いようです。あなたの事業分野と重なる部分もきっとあるはず。早速調査して、大きく広がる害獣駆除マーケットへの参入を検討してはいかがでしょうか。 ドローンのビジネス活用をご検討されている方は、コチラまでお気軽にお問い合わせください。