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ドローン測量の原理とは?空撮写真から3Dモデルができる理由

      2019年06月05日
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      ドローン測量という言葉をよく耳にするようになりましたが、どんな方法で測量していくのでしょうか。ドローン測量には、ごく一般的な空撮カメラを積んだDJI社のPhantom 4 Proといった、特殊な測量用の機材も装備していない機体が利用されているのですから不思議に思う方も多いかもしれません。

      今回は、ドローンでどんなデータが収集でき、どうしたらそのデータから地図や3Dモデルができるのかについて解説します。

      平面写真から見える立体映像。原理はステレオ写真

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      3D映画や3D写真をご覧になったことがある方も多いでしょう。実はそこに、ドローン測量の秘密が隠れているのです。

      ずらせて撮影した写真から3次元の位置情報を取得

      手近な静止した物体を、まずは右目だけで、次は左目だけで交互に見てください。動かないものを見ているのに、見るたびに左右にずれて見えるはずです。このズレを視差といいます。両目で見ると左右の目から別々に入ったずれた映像が脳内で合成されて、立体として認識されるわけです。これを利用して、視差分をずらせた位置から、同一の立体物を撮影した写真を立体写真といいます。その2枚の写真を右から撮った写真は右目だけで、左から入った写真は左目だけで見えるように工夫した3Dメガネで見れば、平面の写真から立体像が浮かび上がるという仕組みです。

      つまり、UAV(無人航空機)を使って行うドローン測量とは、地形が重なり合うようにずらして撮影した空中写真から、ステレオ写真の原理を用いて、3次元の位置情報を取得する空中写真測量のことをいいます。

      標定点と照合、撮影位置やカメラの向きを確認

      標定点とは、写真の座標を測定するための基準となる目印のことです。水平位置と高度がわかっている基準点と写真を対応させて、撮影時の位置やカメラの向きを再現し、これを手掛かりにステレオ写真の原理を応用した空中三角測量で撮影エリア全体の3次元位置情報を取得していきます。標定点は、明確な位置がわかっている建物の角などが利用できますが、そういった箇所がない場合は、新たに地上測量して標識を設置するのです。

      航空写真とオルソ画像の違いとは

      風景写真などで、写真周辺の建物が写真の中心に向かって歪んでいるのを見たことも多いかもしれません。これは、広角レンズで目立つ現象で、高空写真でもこうした周辺部の歪みが生じます。オルソ画像は、この歪みを補正した画像で、面積や距離などを正確に計測でき、地図データなどと重ね合わせて利用できる空中写真測量の成果の一つです。

      ドローン測量なら、簡単に短時間で成果品を取得可能

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      地図作りの工程は撮影と現地調査、図化と編集、そして成果物の提供まで多くのステップと人手が必要です。この作業を現場レベルで完結できるのが、3Dマッピングソフトと連携したドローン測量になります。

      参考:空中写真による2万5千分1地形図の作成方法

      2Dマップも3Dモデルも、3Dマップなら全ておまかせ自動作成

      ドローン測量で使える3Dマッピングソフトが多数販売されていますが、中でも取り扱いが比較的容易で、価格的にも手軽に導入できるのがDroneDployのクラウドサービスです。

      DroneDeployは、アプリ上で測量エリアを設定すれば、ドローンは自動的に離陸し、指定されたルートを自動的に撮影しながら飛行して必要枚数を撮影したら、自動的に離陸地点に着陸するという便利なものです。しかも、測量飛行中にインターネット接続なしに低解像度ながら、2Dマップがリアルタイムで作られ、その場で利用可能になっています。撮影データをクラウドに送れば、数時間後には高解像度の2Dマップや3Dモデルなどの成果品知らせるメールが届き、アプリ上で加工や分析が可能です。

      手間のかかるデータ処理は全てクラウド上で完結するので、高価なハードの購入が不要なのも大きなポイントといえます。データ共有も簡単なことが最大のメリットでしょう。すでにアメリカ、ヨーロッパ、アジアなど世界180カ国で利用されており、主に農業や建設、測量業界で高い注目を集めています。DroneDployは米国生まれの3Dマッピングソフトですが、昨年からSB C&Sが国内向けに日本語化バージョンの販売を開始し、日本語でサポートが受けられる窓口が利用できるのもメリットです。

      RGB画像から植生マップも

      DroneDployを利用すれば、撮影した写真から、農地や森林の健康状態がわかる植生マップを作ることも可能です。DJI社のPhantom4 Proなどで撮影したデータは、人の目で見るのと同じ可視領域のRGB画像です。健康な植物と問題を抱える植物では、違う色の反射率になるという原理を利用して、広範囲をマップ化します。自動制御により、正確に同じルートを撮影できるドローン測量の特性を利用して、定期的にデータを積み重ねることが可能です。そうすることで、葉の増減といった成長状態から枯れ、枯死のような被害状況などを視覚的に把握でき、生産計画の立案や被害対策の資料として役立ちます。

      ドローンとソフトで、手軽に地図や3Dモデルが手に入る時代に

      地図や3Dモデルを作成するために従来は、大変な手間と多くの費用が必要でした。ところが今では、比較的安価なドローンでも、3Dソフトとの連携で空撮しながら地図ができていく時代になってきているのです。これを機会に、業務の効率化に役立つドローンの導入を検討されてはいかがでしょうか。

      ドローンのビジネス活用をご検討されている方は、コチラまでお気軽にお問い合わせください。